アジア市場への参入ー機会と課題

アヌーシャ・カムバリ、Ph.D.

極端な格差と高い潜在成長力が併存

アジアは多様性の大陸と言えます。広大な地理、多種多様な文化、国民性、疾患プロファイル、ヘルスケアシステムに加え、極度の富と極度の貧困の併存、これらがアジアへの参入を考える製薬会社が直面するさまざまな課題です。従来、ロシア、インド、中国などが新興市場の主要なプレーヤーと考えられてきました。

しかし、勢いを増す経済成長、政府の医療改革、人口増加、1人当たりの所得の増加、疾患プロファイルの変化により、アジア各市場でヘルスケアと医薬品の需要が高まっています。特に東南アジア諸国(ASEAN)各国、すなわちインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ベトナムでこの傾向は顕著です。

ASEAN諸国の人口は6億2500万人を超え、米国の約2倍、EUより1億2000万人も多いのです。GDPはASEAN全体で2兆3,000億ドルを超え、1人当たりのGDPは3,748ドル、中国の約4分の1に相当します。また、EUがマイナス成長、米国における成長率が約2%なのに比較し、この地域のGDP成長率は2013年には約7%に達しています1。

製薬会社にとってこれは、ますます複雑に進化していく医療システムの中で、大きな機会が開かれていることになります。商業的成功を納められるかどうかは、各市場の要件に沿った市場での位置付けを固め、市場のダイナミクスを理解することができるかにかかっています

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執筆者について

アヌーシャ・カムバリ、Ph.D.

シニアコンサルタントのアヌーシャは、医療機器業界と製薬業界の両方で幅広い経験を有しています。専門領域は、市場参入、市場分析、価格設定・保険償還、規制(FDA、EMA、CFDA)、および薬物・機器組み合わせ製品を含む医療機器や医薬品のコンプライアンスシステムなどの分野における戦略・戦術リーダーシップなどです。

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