JAK阻害剤の将来

ジル・ディプリボアジン、シニアコンサルタント

JAK阻害剤は次々と生じる規制上の障害を乗り越えて、患者に新しい治療オプションを提供できるのでしょうか?

ヤヌスキナーゼ阻害剤(JAK)は、市場へのアクセスの過程で、過去数年にわたって、ブロックバスタードラッグと称賛されるかと思えば、ブラックボックス警告を受けるなど、劇的な浮き沈みを経験しています。JAKは、その革新性ゆえに、安全性に関して目まぐるしい展開や浮き沈みを経験しています。しかしこれらの障害に直面しているにもかかわらず、製薬会社はJAKが患者ケアにパラダイムシフトをもたらすだろうと確信し、依然として高い関心を持って研究開発を進めています。

免疫介在性炎症性疾患(IMID)治療市場の規模の大きさと患者のアンメットニーズが明確に存在するということから、JAKパイプラインは現在45以上の治療薬候補が存在しています。 1 これらはIMIDのさまざまな分野のさまざまな段階にあり、まだまだ最終段階にはありません。

JAK阻害剤は、バイオ製薬会社、投資家、患者、医師が等しく高い関心を寄せている経口治療薬です。臨床結果は、患者に対し、複数の適応症に効果的でより便利な治療オプションを約束するものです。関節リウマチ(RA)の治療薬として承認を得て市場に最初に参入したのは、トファシチニブ(乾癬性関節炎および潰瘍性大腸炎の治療薬としても承認されました)およびバリシチニブで、続いてウパダシチニブ(RA)でした。

第一世代のJAKは、臨床試験と医療現場の両方で、炎症性疾患と自己免疫疾患の治療において非常に効果的であることが証明されています。しかしそのほとんど全てが安全性と有効性に不均衡が見られるという問題に直面しています。

その結果、現況におけるJAKの市場での台頭は、予期しない混乱を引き起こしています。

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執筆者について

ジル・ドプリヴォアジン

ディアラス・ロサンゼルスのオフィスに拠点を置くシニアコンサルタント。希少疾患、遺伝子治療、呼吸器疾患、炎症と免疫、および診断学など、さまざまな治療分野に及ぶ専門知識を積んでいます。クライアントにとって価値あるパートナーとして、斬新なアプローチの所見と分析を提供します。

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